被せ物（クラウン）とは

虫歯が進行した場合、悪くなった部分を大幅に削り取るため、歯全体をすっぽり覆うような大きな被せ物をします。王冠のような形をしているため、クラウン（英語で王冠の意味）と呼ばれるようになりました。

クラウンには、歯の全部を覆う「全部被覆冠」と一部を覆う「一部被覆冠（3/4 冠や4/5冠など）」があります。

噛み合わせや口内環境によって制限はありますが、さまざまな種類の中から自分の希望に合ったクラウンを選択することが可能です。詰め物よりも表面積が広いので、機能性と審美性を併せもったものを選びましょう。

クラウンの種類

1．硬質レジン前装冠

内部は金属で、外から見える前面の部分だけに硬質のレジンを貼りつけたものです。一見白い歯に見えるので、保険適用で前歯のクラウンを使う場合によく使用されています。

しかし、プラスチック製なので時間とともに変色するのが難点です。また、光が透過しないので、やや暗い見た目になります。

2．金銀パラジウム合金クラウン

保険適用の合金で作成した被せ物で、いわゆる銀歯です。金属なので丈夫で長持ちし、ほとんどの部位で使用できます。ただ見た目はどうしても劣るのが欠点です。時間が経過すると重金属が溶け出して、歯ぐきの変色や金属アレルギーがおこるリスクもあります。

3．ゴールドクラウン

金は適度にやわらかいので歯とのなじみが良く、さびることもほとんどありません。特に、金合金にプラチナを加えた白金合金は強度と耐久性に優れています。目立つ色なので奥歯での使用に適しています。

4．オールセラミッククラウン

金属を一切使用せずセラミックで作成したクラウンです。陶器でできているので、汚れがつきにくく変色やアレルギーの心配もありません。ツヤのある白色で天然の歯に比べても遜色がありません。ただし、値段が高い、硬い反面、脆さがある欠点があります。

5．ハイブリッドセラミックスクラウン

セラミックとレジンを混ぜ合わせた素材です。見た目はセラミックに近い美しさを備えつつ、適度な弾力があるので周囲の歯にダメージを与えにくく、割れにくいという特徴があります。費用もオールセラミックに比べると安価です。