補綴(ほてつ)ってなに?
みなさんは「補綴(ほてつ)」という言葉を聞いたことがありますか。補綴とは読んで字のごとく、補い綴る(つづる)ことです。具体的にいうと、身体が欠損した部分を人工物で補うことを指します。
歯科用語では、虫歯やけがなどで歯が欠損した場合に、人工的な詰め物や被せ物を用いて修復することを意味します。
補綴治療というとあまり聞きなれないかもしれませんが、クラウンやブリッジという言葉なら誰しも一度は耳にしたことがあるでしょう。また、入れ歯も補綴の種類に含まれています。
補綴治療の目的は、主に次の2つです。
1.機能を回復させる
歯が欠損した状態を放っておくのは危険です。周りの歯が倒れてきたり反対側の歯が伸びてきたりして、歯並びや噛み合わせが悪くなる可能性があります。しっかり噛むことができないと、全身にも悪影響を及ぼしかねません。そのため、補綴治療で「噛む・しゃべる・飲み込む」などの機能を回復させることが重要になります。
2.見た目を良くする
歯が欠けたり無くなったりしていると、見た目にも良くありません。詰め物や被せ物を天然歯の色に近いものを選ぶことで、自然な仕上がりになります。
補綴物(詰め物や被せ物)の種類
補綴物の種類には大きく分けて次の4つがあげられます。
1.インレー(詰め物)
虫歯で削った部分を樹脂や金属、セラミックなどで埋めるものです。小さな穴を塞ぐのに適しています。
2.クラウン(被せ物)
歯肉から上部分(歯冠)のほとんどを失っていても、歯根が残っている場合に受けられる治療です。ファイバーコア(プラスチック様の土台)金属などで土台を作り、その上に人工の歯冠を被せます。
3.ブリッジ
歯根まで失った状態でも、両側に健康な歯があれば処置できる治療法です。両側の歯を土台にして、人工の歯を橋のようにかけていきます。
4.義歯
失った歯を人工歯で補います。部分的に歯を失った場合は「部分入れ歯」、すべてを失った場合は「総入れ歯」を使用します。
それぞれの特徴については、あらためて詳しくお話ししますね。