寝る姿勢と歯並びの関係
歯の健康状態は、日常生活のなかのさまざまな習慣と深く関わり合っています。日中活動している時だけでなく、夜眠っている間も例外ではありません。
寝ている間の歯ぎしりが歯や歯並びに悪い影響を与えることは前回のブログ【歯ぎしりの悪影響】でご紹介しましたが、今回のテーマは「寝る時の姿勢」です。
仰向け、うつぶせ、右向き、左向き。眠る時の姿勢は人によってさまざまです。もっとも理想的なのは「仰向け」で眠ることです。そのほかの寝方では歯やあごに負担がかかり、呼吸や睡眠の質に影響するだけでなく、歯並びが変化してしまうことさえあるのです。
「うつぶせ寝」はNG!
歯並びやあごの成長をもっとも妨げるのは「うつぶせ寝」です。うつぶせに寝ると、頭の重さがあごにかかり、歯に余計な力が加わります。
年齢や体型によりますが、頭部の重さはおよそ4~5キロです。その力がすべてあごに加わると、当然歯並びにも悪影響が出てきます。
横向きに寝ている場合も同様です。枕に顔が押し当てられ、左右どちらかの歯に圧力がかかった状態になってしまいます。
「仰向け寝」で歯列を改善
診療をしていると、歯並びを見るだけで、どんな寝方をしているのかを推測することができます。うつぶせ寝が習慣化すると、ひどい場合は奥歯のかみ合わせが逆になる、あごが横にずれる、あごの関節部が痛む「顎関節症」になる、といったケースも見られます。
また、頬に力がかかるので自然と口呼吸になる点も、歯にとって悪習慣だと言えるでしょう。
うつぶせ寝をしている方は「仰向け寝」に切り替えることをおすすめします。とくに子どもの場合は、歯の成長とともにあごも大きくなる大切な段階です。うつぶせの状態で眠っていたら、ゆっくりと仰向けにしてあげましょう。