歯周病ってどんな病気?
歯周病とは一言でいうと、歯を支えている骨が溶けてなくなっていく病気です。
初期では症状を自覚しにくいので重症化してから気づくことも多くあります。
歯を失うことだけでなく、心臓疾患や糖尿病などの全身疾患にも影響を与える恐ろしい病気です。
こうして歯周病になる!
歯周病のメカニズムは、次の3つの段階に分けることができます。
<ステージ1>
歯と歯ぐきの境目(歯周ポケット)に磨き残しがあると、汚れがたまっていきます。この汚れの最初の段階が歯垢(プラーク)です。
このプラークを放置していると、歯の表面から溶け出したカリウムやミネラルと結びついて歯石になります。歯石がこびりつくと歯ブラシでは取れません。
歯周病菌は酸素がある場所では生息できない嫌気性のため、歯垢や歯石がたまった歯周ポケットを好みます。ここをかっこうのアジトにして繁殖し、歯ぐきに炎症を起こします。
<ステージ2>
歯ぐきの炎症が進むと、腫れがひどくなります。徐々に深くなった歯周ポケットにさらに歯石がたまっていくため、歯周病菌にとってどんどん住みやすい環境になっていきます。
歯周病菌が増殖して毒素を産出すると、人間の体にはそれを排除しようと免疫反応を起こして攻撃をしかけます。ところが、この自己免疫のシステムが「破骨(ハコツ)細胞」を刺激してしまうのです。
骨には、骨を作る「骨芽(コツガ)細胞」と骨を破壊する「破骨(ハコツ)細胞」が存在します。この2つの細胞の働きのおかげで毎日少しずつ骨を作り変えることができます。
ところが、口の中で炎症が進むと破骨(ハコツ)細胞だけが活性化していまい、骨をどんどん壊していくのです。
<ステージ3>
骨の破壊が進むと、歯周ポケットがますます深くなり、さらに歯垢や歯石がたまって、歯周病菌が活躍します。そうなると悪循環で、破骨(ハコツ)細胞による骨の破壊がますます進んでいきます。
最終的には、歯の根の周りの骨をほとんど溶かしてしまい、支えを失った歯は抜け落ちていくことになります。