中年女性に多い「シェーグレン症候群」とは
「シェーグレン症候群」は、だ液腺や涙腺の分泌機能に障害がある自己免疫疾患のひとつです。体液を排出する外分泌腺が慢性的に炎症を起こすため、だ液や涙の分泌量が極端に減り、体全体が乾燥した状態になってしまいます。
発生比率は男:女=1:14。40~60歳の女性に特に多いと言われています。この疾患が単独で発症するケースもあれば、関節リウマチなど他の疾患に合併して起こる場合もあります。
発症の原因は明らかではありませんが、遺伝的素因やウイルスや細菌、免疫異常などが複雑に絡み合っているとされています。
どんな症状があるの?
主な症状はドライマウス(口腔乾燥症)やドライアイと呼ばれている口の中や目の乾燥です。それぞれの症状の特徴を以下にまとめました。
ドライマウス
・口が常に乾いている
・パサパサしたものが食べにくい
・長く話すとのどが渇く
ドライアイ
・目が疲れやすい
・目が渇く
・光が異様に眩しく感じる
ほか、風邪を引いた時のような全身の倦怠感や関節痛、間質性肺炎、腎炎、神経症状、紫斑、紅斑などがあげられます。
口の乾きの診断と治療
ドライマウスの原因は、だ液の分泌量が減少していることです。治療には、人工のだ液や保湿成分入りのジェルを用いたり、だ液そのものの分泌量を増やす内服薬を処方したりして、口の乾きを改善します。日常生活では、飲水やうがいの回数を増やして口の中を湿った状態に保つことが大切です。
口の乾きにはさまざまな原因が考えられます。だ液の検査で極端に分泌量が少ない場合は「シェーグレン症候群」の可能性も視野に入れて診療にあたっています。