喫煙者は歯周病になりやすい?
タバコには、ニコチン、タール、一酸化炭素はじめとする4000種類以上の化学物質や200種類以上の有害物質、50種類以上の発がん物質が含まれています。
喫煙によって、がんや心臓病、脳卒中などの病気にかかりやすくなることは知られていますが、歯周病も例外ではありません。タバコを吸っている人の歯周病発生率は、非喫煙者に比べて3〜6倍になるといわれています。
通常、人間の身体は細菌やウイルスに対して抵抗する力が備わっています。ところが、タバコに含まれるニコチンは血液の流れを悪くし、免疫反応を鈍らせてしまうのです。そのため、歯周病菌にかかりやすくなってしまいます。
歯周病は「沈黙の病気」と呼ばれるほど自覚症状もなく進行していく病気です。歯ぐきの腫れや出血に気づいたら、すぐに歯科医院へ行かなくてはなりません。
ところが、喫煙により血管が収縮した歯ぐきは硬くて出血しにくいため、初期症状を見逃しがちになってしまうのです。気がついたときには深刻な状態になっていることもあります。
さらに、タバコに含まれる有害物質が唾液の分泌量を抑えたり、歯根部分と結合して歯垢を付着させやすくなったりするので、治療を受けても治りにくく再発しやすいのが特徴です。
つまり喫煙していると、歯周病にかかりやすくなるだけではなく、どんどん進行して治りにくくなるのです。
禁煙すると歯周病のリスクが下がる
反対に、禁煙すると歯周病のリスクは確実に下がります。禁煙後の歯周組織の回復は目覚ましく、数日から数週間で血流が正常化します。1年後には本来の健康な歯ぐきを取り戻せるでしょう。
口の中はタバコの煙が最初に通過する器官です。そのため、歯周病をはじめとするさまざまな影響を受けやすくなります。
さらに、全身へ及ぼすデメリットを考えると、喫煙は百害あって一利なしです。1日も早く禁煙することをおすすめします。