放っておいても虫歯は治らない
虫歯もいやだけど、歯医者さんに行くのもいやですよね。早めに行かなきゃとは思いながら、「薬を飲んだら痛みが治まったから我慢しよう」と、通院を先延ばしにしている方も少なくないのではないでしょうか。
でも、放っておいて、虫歯が良くなることは絶対にありません。
虫歯には、進行の度合によってCO~C4までの5つの段階があります。
大きく分けると、すぐには治療の必要がない「要観察」の段階(CO)と、早急に治療が必要な段階の2つ。
【虫歯になると歯が変色する?】No.2ではCOとC1についてまとめたので、この回ではC2とC3、そしてC4についてお話ししましょう。
痛みを感じたらすぐに病院へ
すぐに治療が必要な虫歯には、C2・C3・C4の3つのステージがあります。
「C2(シーツー)」
歯の表面を覆う「エナメル質」の内部にある「象牙質」まで虫歯が進行した状態です。「象牙質」は「エナメル質」よりも柔らかく痛みを感じやすいので、冷たいものや甘いものが歯にしみやすくなります。放っておくと、虫歯はさらに内側にある「歯髄(神経)」にまで到達してしまうので、早めの治療が必要です。
「C3(シースリー)」
虫歯が歯髄(神経)にまで進行した状態です。痛みは人によってさまざまですが、あまりの痛さに耐えかねて、先延ばしにしていた通院を決心する人が多いのがこの段階です。一時的に痛みが治まることもありますが、これは虫歯が治ったわけではなく、神経が“死んで”しまったということ。やがて炎症が歯の根本を覆っている「歯根膜(しこんまく)」まで広がり、腫れを伴う激痛を感じることもあります。
「C4(シーフォー)」
虫歯の最終段階です。ここまでくると、歯のほとんどが溶けて歯髄が死んだ状態になっているので、痛みさえも感じません。ほとんどの場合は歯を残すことができないため抜歯します。歯を抜いた後、通常通り噛める状態に戻す必要があるため、治療期間は長引きます。
日本は世界でもトップレベルの長寿国ですが、80歳の方の歯の本数は平均6~7本だといわれています。一方、歯の長寿国といわれるスウェーデンでは平均20本。3倍近くも差があるんです。
健康な身体で人生を楽しむためには、健康な歯は必要不可欠です。そのためにも、虫歯が気になったらできるだけ早く歯科医院で治療を受けて、歯を健康な状態に保っておきたいものですね。