スポーツ飲料ってどんな飲み物?
スーパーやコンビニで販売されているスポーツドリンク。日常的に飲む人も少なくないですが、実は歯にとっては良くない影響がいくつもあることが明らかになっています。
体に良くないと言われる原因は、スポーツドリンクに含まれる糖質の量です。通常、体内の血液に含まれるブドウ糖の量は約4グラム、角砂糖1個分なのに対して、スポーツ飲料ペットボトル1本分(500ミリリットル)に含まれる糖質の量は、平均すると角砂糖7.5個分に相当するといいます。(森昭著『歯はみがいてはいけない』より)
そのうえ、スポーツ飲料に含まれる糖類は、体が必要とするブドウ糖ではなく砂糖や果糖といった人工の糖質です。
水分を補給する機能的な役割よりも、おいしさや飲みやすさ重視の商品がほとんどです。その分、飲み過ぎてしまうと、歯にも身体全体にも悪い影響を与える“ワルモノ”になってしまうのです。
飲みすぎるとこんな症状が!
スポーツドリンクを飲み過ぎるとどんな症状が出るのか、以下にまとめてみました。
症状1)虫歯や歯周病のリスク
スポーツ飲料に多量に含まれる糖類は、虫歯や歯周病の原因となる歯垢(プラーク)のもとになります。おやつや間食が増えた場合と同じように、糖類を摂取する機会が増えれば増えるほど虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
症状2)歯ぐきが腫れる
スポーツ飲料の飲み過ぎが原因で、歯ぐきが腫れることがあります。糖類過多によって繁殖した細菌が口の中で活発になり、歯肉炎を起こすからです。歯肉炎は歯周病の初期に見られる症状です。進行すると口の中がネバネバする、歯ぐきから出血するといった症状が出るケースもあります。
飲み過ぎに気をつけて!
ペットボトル飲料の飲み過ぎで高血糖になると、「ペットボトル症候群」と呼ばれる急性の糖尿病を引き起こすこともあります。
水分補給が目的なら余分な糖類を含まない「経口補水液(ORS)」を選ぶのが良いでしょう。体内に吸収されやすいように、砂糖ではなくブドウ糖が含まれているのもポイントです。ただし、経口補水液のなかでもクエン酸を含むものは口の中が酸性に傾きやすいので、歯の健康という点ではお勧めできません。
激しい運動をする時以外なら、麦茶やミネラルウォーターだけでも問題はありません。スポーツドリンクの飲み過ぎには十分に注意をしてください。