いい歯磨き剤って?
ドラッグストアやスーパーで見かけるたくさんの歯磨き剤。「どれを選べばいいのでしょうか」と相談を受けることがよくあります。確かにあれだけの種類のなかから適切なものを選ぶのは簡単ではありませんよね。
歯磨き剤選びは、歯の状態によって決まります。歯磨き剤選びで気をつけるポイントをまとめました。
1.フッ素
一般的に、歯磨き剤はフッ素が配合されているものが望ましいとされています。フッ素とは虫歯予防に欠かせない成分で、市販の歯磨き剤の約90%に含まれています。(詳しくは【フッ素ってなあに?】参照)
2.研磨剤
研磨剤がたくさん入っていると、磨き方によっては歯の表面に傷がついてしまう場合があります。基本的には研磨剤が含まれていない製品をおすすめします。
ただし、研磨剤が含まれていないと、歯に付着したコーヒーや紅茶などの着色汚れ(ステイン)が取れにくいデメリットがあります。ステインが残った状態が続くと歯の表面のくすみにつながります。
3.ナノ粒子
歯を白くしたい人はナノ粒子が含まれている歯磨き剤を使いましょう。ナノ粒子が歯の正面を覆い、歯を白く見せるエナメル質を強化します。
これは、エナメル質そのものを再生させる「再石灰化」とは別のものです。歯磨き剤に含まれるナノ粒子がエナメル質の表面をコーティングしている状態です。
4.硝酸カリウム
知覚過敏の方は、痛みや不快感を抑える「硝酸カリウム」が配合された歯磨き剤を使いましょう。代表的な製品は「シュミテクト®」。硝酸カリウムがイオン化して歯髄の周りを守り、刺激の伝達を遮断します。
目的にあわせた歯磨き剤選びを
私がおすすめしている歯磨き剤は低研磨でフッ素化物配合、かつ低発泡、低香味の製品です。
歯を白くしたい人はナノ粒子が配合されているものを使ったり、歯の表面が削れてしまっている人は研磨剤を避けたりと、適した歯磨き剤は歯の状態によって異なります。
ペースト状のものだけでなく、口に含んで馴染ませる泡タイプの歯磨き剤や、洗口剤やガムといった補助的な製品を使うのも有効です。歯の状態と目的にあわせて、毎日ケアを続けましょう。