インプラントを可能にする2つの方法
上あごの奥歯の上には上顎洞という鼻腔につながる大きな空洞があるため、骨の厚みが足りず、インプラントを埋め込む十分な深さを確保できない場合があります。
その問題を解決するには2つの方法があります。ひとつは「ソケットリフト」、もうひとつが「サイナスリフト」です。
サイナスリフトとは
ソケットリフトとは、上あごの骨の一部を人工骨で充填しインプラントの土台を作る方法です。(詳しくは【ソケットリフトとは】参照)
部分的にインプラントを埋め込むにはとても有効な治療法です。ただし、骨が薄くなりすぎると土台を十分に確保できません。
サイナスリフトはより広範囲にわたって人工骨を充填できるため、ソケットリフトが難しい場合でもインプラントが可能です。
治療の流れ
1.手術の規模
ソケットリフトは歯を抜いた穴からピンポイントで人工骨を充填します。手術の規模が小さく、痛みや体への負担もほとんどありません。
サイナスリフトは歯茎の横からアプローチをします。上顎洞にまんべんなく人工骨を充填する大がかりな治療のため、ソケットリフトに比べて体に負担がかかります。
2.治療の期間
骨に厚みがある状態で人工の骨を充填するソケットリフトは、インプラントを同時に埋め込むことができます。
しかしサイナスリフトの場合、同じタイミングでインプラント治療ができません。人工骨が固まるまで3~6カ月待ったあとにインプラントを埋め込むため、治療が完全に終わるまでには6~12カ月ほどかかります。
まずはソケットリフトを
サイナスリフトは骨が薄い場合でもインプラントを埋め込むことができる治療法ですが、ソケットリフトに比べて手術の規模が大きく体への負担がかかってしまうのは事実です。
サイナスリフト治療を受けることのできるクリニックもありますが、可能な場合はソケットリフトでの治療をおすすめします。