知らないうちに起こる「歯ぎしり」
成人の7割以上が経験したことがあると言われる歯ぎしり。多くの人は無意識にしているため、知らず知らずのうちに歯はダメージを受けています。
歯ぎしりは、正確にはブラキシズムといいます。歯をこすり合わせるもの、グッと食いしばるもの、小刻みにカチカチ鳴らすものの3種類があります。(歯ぎしりの種類については【歯ぎしりとは?】参照)
今回のコラムでは、歯ぎしりを引き起こす原因について見ていきましょう。
歯ぎしりの4大要因
1 ストレス
歯ぎしりの一番の原因はストレスだと言われています。私たちが生活するうえでストレスは切っても切り離せません。就職、引っ越しなどの環境の変化で引き起こされることもあり、子どもでも入学や塾に通い始めることが原因で歯ぎしりをすることがあります。
また、精神的なストレスだけでなく、疲労や運動のしすぎなどの肉体的なストレスも要因のひとつです。
ストレスを発散できずに溜めてしまうと、就寝中に歯ぎしりを起こしてしまうことがあるのです。
2 かみ合わせの変化
かみ合わせは体の成長や歯の状態によって常に変化しています。
接触すべき歯の面ではない部分が当たってしてしまうと、歯ぎしりによって自分で調整しようとします。歯やあごの状態は年齢とともに変化していくものなので、自然な変化は悪いものではありません。
しかし、放置した虫歯や歯周病などで急激にかみ合わせが変化した場合、歯ぎしりが起こりやすくなります。
また、炭酸飲料や柑橘類などの酸性食品を大量に摂取すると、歯の表面を覆うエナメル質が溶け、かみ合わせが変化します。
3 過度の飲酒・喫煙
アルコールの摂取も歯ぎしりの原因になる場合があります。あくまで“生じやすい”というレベルのものですので、過度の飲酒を控え、適量を保ちましょう。
タバコは百害あって一利なしです(詳しくは【歯周病とタバコの関係】参照)。早めの禁煙をおすすめします。
4 習慣
普段からスポーツや肉体労働をする人は、奥歯をグッと食いしばる傾向が強いため歯ぎしりをする可能性が高くなってしまいます。
また、「横向きに眠る」「ほおづえをつく」など、一定の方向から歯に圧力がかかるような癖のある人も注意が必要です。かみ合わせが悪くなり、歯ぎしりに繋がってしまうことがあります。
マウスピースなどの対策を!
歯ぎしりはストレスだけでなく、生活習慣や体の成長など、実にさまざまな要因で引き起こされてしまうとてもやっかいなものです。歯医者さんでマウスピースを作るなど、対策をしっかりとりましょう。