神経を抜くデメリット
歯の神経は残せるなら、残すに越したことはありません。しかし、虫歯の治療の過程において、神経を抜くことがベストな治療方法となる場合があります(詳しくは、【神経を抜くってなあに?】をご参照ください)。
当然ながら、相応の必要性(メリット)があるから神経を抜くわけですが、同時にいくつかのデメリットがあることも確かです。
一本の歯から神経を抜くには、健全で質のいい層をたくさん削りとる必要があります。周辺の血管まで取り除かざるをえないので、大地から断たれた木のごとく、栄養が行き渡らなくなって乾いた状態になります。
その結果、次のようなデメリットが生じます。
1.歯の感覚が鈍る
痛みや温度を感じられなくなるので、歯の異変に気づきにくくなります。
2.歯がもろくなり、ひびが入ったり割れやすくなったりする
(詳しくは【神経を抜いたら歯ぎしりはNG?】をご参照ください)。
3.歯が少しずつ変色する
歯の神経が死んでしまった後に、歯髄の中の血液成分が歯の内側から象牙質内に染み込んでしまい、歯の色が少しずつ黒ずんできます。
神経を抜くと歯は弱くなるのか?
本来ならメリット・デメリットを知ってから、神経を抜くかどうかの選択をすべきでしょう。ところが、一部には簡単に神経を抜いてしまう歯科医がいるのも事実です。そのため「知らずに抜かれてしまった」と後悔している人も少なくありません。
そんな方にとって、自分が治療した歯の強度は大問題になるでしょう。はたして、神経を抜くと歯は弱くなるのか?
その答えはイエスでもありノーでもあります。
たしかに神経を取ると代謝が落ちてしまうので、歯の寿命は短くなってしまいがちです。ですが、確実な処置をして丁寧にメンテナンスをしていけば、神経のある歯と同じように長く使うことができます。
そのためにも日頃のケアで虫歯や歯のひび割れを防ぐことが大切です。