虫歯菌は親からもらう
成人の90%以上がなったことがあるといわれる虫歯。
口の中に生息する虫歯菌が出す酸によって歯が溶けている状態を「虫歯」といいます。(【虫歯ができるメカニズムはこれだ!】参照)
実は虫歯菌を持っていない人は虫歯になりません。生まれる前は口の中にいなかった虫歯菌は、保護者の口移しやスプーンなどを共有するさいに付着するだ液によって感染してしまうのです。
虫歯菌とは?
虫歯菌とは虫歯の原因となる数種類の細菌のことです。大人の口の中には300~700種類の細菌が生息しているといわれています。
虫歯菌の代表的なものがミュースタンス菌とラクトバチラス菌です。
- ミュースタンス菌
ミュースタンス菌はだ液に含まれています。一度口の中に定着してしまうと、全てを取り除くことはできません。ミュースタンス菌の出す酸で、歯は溶けてしまいます。
- ラクトバチラス菌
ラクトバチラス菌は食べ物から口の中に入ってきます。乳酸菌飲料に多く含まれていて、ミュースタンス菌によって虫歯になった歯を進行させる菌です。歯の溝に生息し、つるつるしている場所には定着しません。
異なる対処法とだ液の量がカギ
ミュースタンス菌とラクトバチラス菌では対処法が異なります。
ミュースタンス菌は「フッ素入りの歯磨き剤を使う」「キシリトール入りのガムを噛む」ことで活動が弱まります。粘着力が強く、歯磨きでは落としにくいため、クリニックでの定期的なクリーニングも効果的です。
ラクトバチラス菌の繁殖を抑えるには、間食を控えましょう。
だらだら食事では、口の中は虫歯になりやすい酸性の状態が続きます。時間を空けて食事をすることで、口の中が中性に保たれるのです。歯磨きのさいは、歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシとの併用が大切です。
また、2つの菌を抑制するために共通しているのは「だ液の量」です。だ液が大量に出ていると、自浄作用でプラークを洗い流してくれます。量が少ないと、細菌が繁殖しやすいのです。