喫煙は大きなリスクファクター
成功率は100%近いと言われているインプラント治療。しかし、ごくまれに失敗するケースも知られています。考えられるいくつかの原因のうち、ひとつの大きなファクターが「喫煙」です。
喫煙の習慣は、治療中とメンテナンス時の双方で失敗のリスクを高めます。具体的な要因は以下の2つです。
1.インプラントが結合しにくい
タバコの成分に含まれるニコチンによって毛細血管が収縮すると、血流が悪くなって骨に十分な栄養が行き届かず骨密度が下がります。結果、インプラントと骨が結合しにくくなってしまうのです。
また、治療後に栄養が不十分な状態が続くとインプラントが抜け落ちることが考えられます。
2.炎症を引き起こす
ニコチンはだ液の分泌を抑制するはたらきがあります。口の中の汚れを除去するだ液の量が少ないと、細菌が増殖して口腔内環境が悪化し、さまざまな病気を引き起こします。
たとえば、健康な歯と同じようにあごの骨に定着したインプラント周辺にも炎症が起こることがあり、「インプラント周囲炎」と呼ばれています。
喫煙はインプラントの寿命を短くする
一般的にクリニックで喫煙を控えたほうがいいとされているのは治療の半年前です。つまり、喫煙者であっても禁煙できれば治療は受けられるのです。
私の医院では喫煙者のインプラント治療はお断りしています。インプラント治療を希望されていたある喫煙者の方は、禁煙外来に通ってから治療を受けてくださいました。
せっかく高額な費用と長い時間をかけても、喫煙が原因で骨に定着しないともったいないですよね。
インプラント治療は禁煙をしてから受けることをおすすめします。