体の冷えが引き起こす症状
体の「冷え」と口内環境。この2つは何の関係もないと思われがちですが、実は深く関係し合っています。
体が冷えると次のような症状があらわれます。
・口が渇く
血液の循環が悪くなり、交感神経のはたらきが弱くなります。すると、だ液の分泌量が減り、口の中が乾いた状態になってしまうのです。そのまま放っておくと「ドライマウス」の症状につながります。
・歯が痛む
虫歯や歯周病などの歯の痛みは、歯茎にある毛細血管の血行不良が原因となることがあります。健康時は免疫機能が正常にはたらいて細菌から歯や歯茎を守りますが、体が冷えた状態になると免疫機能が低下して、抵抗力が落ちてしまうからです。歯が痛むからといって患部を冷やしても、血行不良が原因の場合は逆効果です。
冷えの原因の一つは「口呼吸」
人間は汗をかいて体温を調節していますが、体毛におおわれている動物は汗で体温調節するのが難しいので、上がった体温を下げるために舌とだ液を使っています。
走り回った後の犬を見ると、口から舌をだらんと垂らして「ハッハッハッ」と呼吸をしているでしょう。これは口を開けてだ液を蒸発させ、体温を下げているのです。
人間も同じで、いつも口が開いていると舌からだ液が蒸発してしまい、気化熱を奪って体温を下げるのです。
口呼吸と鼻呼吸では、体内に取り込む空気の温度が変わります。鼻で呼吸をすると、体温程度にまで温められた空気が肺に送られます。
一方で、口呼吸だと冷たい空気が直接肺に送られてしまいます。体内に取りこむ空気の温度が低ければ低いほど臓器を冷やし、体全体の冷えにつながります。
冷えを改善して歯を健康な状態に
口の乾きや歯の痛みだけでなく、体が冷えると口内環境も変化します。だ液の分泌量が減り、口の中が乾いた状態が続く。すると、細菌が増えて口内環境が悪くなり、虫歯や歯周病を引き起こします。
歯や口内環境に関する悩みを解決するには、体の冷えを改善することがスタートになるかもしれませんね。