だ液は血液から作られる
口の中には耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つのだ液腺があります。だ液腺の機能は、大きく2つに分けられます。
ひとつは口の中にだ液を溜める「外分泌」。細胞が毛細血管から体液を取り込んで、細胞外に放出されたものがだ液となります。もうひとつは「内分泌」のはたらきです。だ液が持つ重要なホルモンをからだ全体に運ぶ役割を果たしています。
「安静時だ液」と「刺激時だ液」
だ液腺から出るだ液には、だ液にはサラサラした「安静時だ液」とネバネバとした「刺激時だ液」の2種類があり、それぞれはたらきが異なります。
●安静時だ液
外的な刺激のない状態で出ているサラサラしただ液です。食事の時にあごや舌が動くことで分泌量が増え、食べ物を飲み込みやすくしてくれます。また、だ液に含まれる「だ液アミラーゼ」は炭水化物に含まれるでんぷんを消化して、吸収を助けるはたらきがあります。
●刺激時だ液
よく噛んで食事をする時や、味などの刺激に反応した時に出てきます。
だ液の分泌と神経のはたらき
交感神経と副交感神経、どちらが優位になっているかでだ液の出方が変わります。たとえば、ゆっくりと落ち着いて食事を摂っていて副交感神経がはたらいている時はサラサラとしただ液が多く分泌されます。
反対に、急いで食事をして交換神経が働いている時はネバネバとしただ液の量が増加します。極度の緊張で口が乾いた時に出るだ液や、有名な「パブロフの犬」が出すのも刺激時だ液です。
だ液の量が少ないと、食べ物が飲み込みにくく、慢性的に口の中が乾いた状態になってしまいます。「だ液腺マッサージ」などで増やす必要があるのは「安静時だ液」です。サラサラだ液を増やしたいなら、リラックスできる環境をつくることが大切ですね。