だ液を増やすには食生活を変えよう
日本人の食生活が変わり、やわらかい食べ物が増えました。テレビのグルメ番組でも「やわらか~い」とコメントをするとおいしそうに聞こえます。
しかし、やわらかい食事だけではだ液が十分に分泌されずに口の中が乾いてしまいます。口の渇きを改善するためには、まず「食生活」を見直す方法があるのです。
元神奈川歯科大学の齋藤滋教授の研究によると、現代人の1回の食事あたりの咀嚼回数は弥生時代の6分の1、約620回に減っているそうです。
食生活を改善する際にどんな点に気をつければよいのか、以下にまとめました。
噛む回数が増える食材
噛む回数は食材に含まれる水分の量や硬さに関係しています。水分が少なく、硬い食べ物のほうが必然的にかむ回数が増えます。
・硬い食べ物
スルメや昆布、ピーナッツなどの硬い食べ物は、飲み込む前によく噛んでやわらかくする必要があります。食べ物がだ液の水分を含むと飲み込みやすくなります。十分なだ液が出るまでにはある程度噛む必要があります。
・弾力のある食べ物
こんにゃくやイカ、タコ、餅など弾力が強い食材はかみ切るまでに何度も咀嚼する必要があります。
噛む回数を増やすために食材は大きめに切って食感を残すように調理してみてください。煮物や野菜炒めに大ぶりの野菜を使うと口の動きが大きくなり、噛む回数も増加します。
さらに、肉や野菜を切る時には繊維に沿って切ると、噛むときに繊維を断ち切らないといけないため咀嚼する回数が増えます。
食べ方のポイント
食事の時にあまり水分をとらない
食事の時にお茶やアルコールを一緒にとると、あまり噛まないまま水分で流し込んでしまいがちです。食卓にお茶や水を置かずに、「どうしても」という時だけ水分をとり、噛んで飲み込むことを基本にしましょう。
ゆっくり食べる
前述の元神奈川歯科大学の齋藤滋教授の研究によると食事時間は弥生時代の5分の1、約11分に減っているそうです。
食事の時間が短いと、どうしてもかむ回数が減り、水分で流し込んでしまいます。噛む回数を増やすために、ゆっくりと食事することを心がけましょう。