インプラントの土台を確保する“ソケットリフト”
ソケットリフトは上あごの一部に人口の骨を充填しインプラントを埋める場所を確保する方法です。
一般的に、数ミリの深さがあればインプラントは固定できるといわれています。では誰でもすぐに治療できるのかと言えば、必ずしもそうとは限りません。
可能な骨に触れる面積を大きくインプラントを埋め込んだほうが、安定感が高まるからです。そこで有効なのがソケットリフトです。
ソケットリフトが必要なケースは?
上あごの奥歯の上部には鼻腔へつながる上顎洞(じょうがくどう)という大きな空洞があり、インプラントを埋め込むには骨の厚みが足りないことがあります。
また、平均的なインプラントは長さが約10ミリあるため、骨の厚みが10ミリ以下だとインプラントが上顎洞を貫通してしまいます。すると、上顎洞の境目にある「シュナイダー膜(上顎洞粘膜)」という粘膜を傷つけてしまい炎症を引き起こすことがあります。
よりインプラントが安定する十分な深さを確保するため、そして炎症を防ぐためにはソケットリフトが有効なのです。
どんな治療なの?
ソケットリフトは、インプラントと同じように歯を抜いた穴から治療をします。外科治療を最小限に抑えることができるため、体への負担が少なく、痛みもほとんどありません。
人工の骨が完全に固まるまで2~4カ月かかります。ソケットリフト治療と同じタイミングでインプラントを埋め込むため、インプラントを含めた治療期間は3~6カ月ほどです。治療費用は1カ所につき別途5~10万円ほどかかります。
ソケットリフトでインプラントが可能に
上顎奥歯の骨が薄くインプラントができない方でも、ソケットリフトで人工的に骨との接着面積を大きく作ることでインプラント治療が可能となります。
手術のリスクや体への負担が少ない点でも、インプラントを考えている方にはおすすめの治療法です。